Posted in 介護ニュース

介護中の冷房

熱中症に注意する

高齢者になるほど、エアコンのような冷房を嫌う傾向があります。
人工の風が体に悪い、と根拠もなく思い込んでいる人も少なくないため、この点については誤解を解いていかなければなりません。
よく、自分が若いころはこんなものがなかった、ということでエアコンを使わなくとも大丈夫だと考える人がいますが、その当時と現在とではかなり状況が変わっていることを理解させる必要があります。
温暖化やヒートアイランド現象によって、当時よりも気温や室温は大きく向上してしまっているのです。

それに加えて、子供と高齢者は自分で体温調整をすることが苦手になっています。
そのため、大人以上に室内熱中症になってしまう可能性が高く、十分注意をしなければなりません。
介護を行う場合にはこの点についても注意を払うようにしましょう。
実際、原発事故のあとに節電が取り沙汰された時には、冷房を掛けずに室内で熱中症になって亡くなってしまった高齢者の方が少なくありませんでした。

管理の基準

それでは、室温管理はどのような基準で行うべきでしょうか。
まずは、室温について正しく把握できるような設備を準備する必要があります。
個人ごとに温度に対する感覚は違っているため、主観的に判断するのは危険であるためです。
室温計・湿度計を置いて測るようにしましょう。

室温が28℃、湿度が60%を超えている場合には特に注意するようにしましょう。
これぐらいからが熱中症危険域となります。

また、内外の温度差についても注意する必要があります。
外との温度差があまりに大きいと、外出する際に体内の温度センサーがおかしくなってしまう可能性があります。

さらに、介護対象の高齢者が「寒い」と訴えてきた場合には、冷房を調節するようにしましょう。
直接送風があたっていると余計に寒く感じさせてしまう可能性があるため、送風の角度について調節をするようにしましょう。

基本的に冷房は介護者ではなく、介護対象者を基準に行うようにしましょう。
介護者が暑いからといって冷房を強くするとトラブルが発生しやすくなってしまいます。