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最近話題になった介護のニュースとして「ヨーロッパには寝たきり老人がいない」というものがありました。
ある著書によってこの話題が持ち上がり、日本と西欧における介護に対する考え方の違いというものに注目が集まるようになったでしょう。
まずは、このニュースがどういったものだったのかについて考えてみましょう。

日本には多くの寝たきり老人と呼ばれる人たちがいます。
言い換えれば、自分一人では動くことができなくなってしまった人たちのことです。
自分だけでは日常的な生活を営むことが出来ず、その全般において介護や看護に頼ることによって生きているのが寝たきり老人ということになるでしょう。
つまりは、重度の要介護者である、ということになります。

それでは、何故ヨーロッパにおいて寝たきり老人がいないのか、ということについて考えてみましょう。
これは、「長生き」の倫理観が違っていることが大きな理由となっています。
日本においては、ともかく長く生きることが1つの勲章となっている部分があるでしょう。
そのため、自力で食事を取ることができなくなった高齢者には点滴による栄養補給や、胃瘻(胃に穴を開けてチューブを通し、そこから流動食を提供する方法)を利用して、ともかく長生きできるようにする傾向があります。

これに対して、ヨーロッパにおいて長生きというのは、あくまでも「健康に生きられること」が前提となっています。
そのため、福祉大国として知られているスウェーデンなどでは、自力で食事を摂ることができなくなったのであれば、点滴や胃瘻などの処置は行うことなく、そのまま自然に亡くなるようになっているのです。
つまり、日本の寝たきり老人は本来ならば自然死しているはずの人を、生きながらえさせているだけだ、という考え方にあるわけです。

もちろん、倫理の問題に答えがあるわけではありません。
日本ではかつて、家族が苦しんでいる様を見たくないという理由で途中で延命治療を辞めた看護師が殺人罪として摘発されるという事件も起こりました。
あの時にも、かなり世論が長生きと介護についてを考えるようになったと記憶しています。

高齢化が進む日本において、介護と倫理の問題は一人ひとりが考えなければならない問題となりました。
「終活」というものが流行し、自分がもし寝たきりになりそうな場合にはどうして欲しいのかを家族と話しておく、ということも一般的になってきています。
このような流れは良いことでしょう。
死や介護をタブーとせず、一人ひとりが、家族同士がしっかりと考えること、これが幸せな介護のために必要なプロセスであるといえるでしょう。

トピックス・ニュース

それでは、この先で紹介する介護のニュースについて、3つピックアップして簡単に紹介します。
まず1つ目として紹介するのは「介護職員の不足」の問題です。
これは少子高齢化に関係しているものであると同時に、介護職の労働環境の問題にも関係している問題といえます。
具体的な視点から介護職の不足について考えてみましょう。

2つ目に紹介するのは「介護中の冷房」についてです。
地球温暖化やヒートアイランド現象などが叫ばれる中で、冷房というのは生活に欠かすとこが出来ないものになってきました。
では、介護職における冷房の環境というのがどうなっているのかについて簡単に紹介します。

3つ目に紹介するのは「交流が予防薬」ということについてです。
これは、高齢になると発症するリスクが高まる「認知症」についての話です。
認知症は現在では治すことが出来ない病気であり、発症した場合にはその進行を遅らせることしか出来ません。
しかし、そもそも発症しないようにするための予防は可能であると考えられています、その方法が交流、すなわちコミュニケーションである、というニュースです。